●ミュウには他の猫に無い特技がある。くしゃみが出そうになるの
を事前に察知する。タイミングよく「くしゃみをするニャー」と、
鳴くのである。そのせいで何度クシャミをしそこねたか。
●さておてんばミルキーだが猫には珍しく水を嫌がらない。風呂の
水栓を抜いて洗い場が水びたしになったところを足を突っ込みバチ
ャバチャ歩く。そしてある日ママが風呂に入っていたらパッと飛び
込んだのである。一緒に抱っこしていい気持ちになり白い顔の鼻の
あたりがパアァッとピンク色になり「良い風呂だ」と言わんばかり、
他の猫たちは体を洗うと切ない鳴き声を出すのと好対照であった。
●昨年六月、私はランニング中に新しい仲間を見つけた。熱海の街
外れのガサ藪で子猫の泣き声がした。私もニャァと猫声を出し待つ
事しばし、藪の中から真っ黒な子猫が出てきた。両手の中にちょう
ど納まる大きさ。ランニングを中断して抱っこで家に持ち帰った。
●今までと同じく古参猫は新入子猫をおとなげなくフーッと威嚇す
る。でも三日もすると子猫も遠慮が無い。ボロ雑巾猫はさておき真
っ白のミルキーに真っ黒の猫、二匹セットで（誰に見せる訳でもな
いが）とても見栄えが良い。
新参子猫は苗字とセットで上から読ん
でも下から呼んでも「ムラタラム」の「ラム」となった。
●早速、動物病院に連れて行き、虫下しを飲んだ。医療費は結構掛
かる、私たちこれまで天井裏一匹拾い猫二匹、もらい猫二匹「飼っ
た」が「買った」事はない。お金が掛かっていなくても血統書付き
に可愛さは負けないのである。
●腹が空くと猫たちは寝床に起しに来て、鳴いたり突付いたり食事
の催促をする。だいたい一番うるさい猫がその役割をする。催促役
は一匹、他の猫は知らん振りしている。なのに餌が出ると一斉に食
べる。早速ミュウから育ち盛りのラムに役割交替した。
続く↓