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「三谷幸喜のありふれた生活」の向こうを張って「きらくや社長の月並みな生活」を初めました。2008年1月からきらくに思いつきで始めました。どうぞご笑覧下さい。

歩行は健康の源

街こおりやま。平成20年12月号

●私事で恐縮だが91歳の我が父は1月末に頚椎すべり症の手術をした。その後寝たきり1ヶ月、車椅子1ヶ月、歩行器1ヶ月のリハビリ生活を経てほぼ全快した。

●手術前は磐梯熱海駅から電車に乗り郡山駅に行き、徒歩、自転車、バスで自由に市内を歩いた。しかし今はそれが出来ない。ちょっとの所で足が上がらず、磐梯熱海駅の跨線橋を越せなく郡山まで足を伸ばせない。

●以前に公共交通の整備は老人の外出に大きく寄与し健康維持に繋がる事を主張したが、まさに自分の父で実感したのである。現在磐梯熱海駅に来る車椅子客は改札口側に電車が到着する時、電車とホームに2mほどの板を渡し、スムーズに下りる。向かい側ホームの時は駅員が郡山駅から付いて来て車椅子に乗ったまま、おみこしワッショイのように跨線橋を昇り降りして改札口を越す。わが父もそれに甘えれば良いのだがプライドが許さない。

●かつて安積山開拓のある子供は山道を4km毎日歩いて熱海小学校に通った。そして水泳大会で優勝した。その祖母は(毎日徒歩往復で)私の旅館で働いていて突然倒れたが『驚異の心臓が病から彼女を救った』と医者が驚いた。まさに毎日の歩行が健康のみなもとなのだ。なのに毎朝6時45分磐梯熱海駅は時ならぬ交通ラッシュに見舞われる。一番電車目掛けて父母祖父母が高校生を駅まで送り届けるのだ。歩く事を止めたら人間は不健康の地獄へまっしぐらなのに!

●郡山市では介護保険の世話になっていない老人に磐梯熱海温泉無料入浴券を配布している。しかしその利用率は低い。移動手段が無いので、入浴切符をもらっても風呂入りにくるのは近所の人か車を運転出来る人だけである。

●日本の行政は縦割り。有効な交通行政が老人の外出をうながし健康増進に気が付いても厚生労働省は予防医学に役立つからと交通予算を国土交通省からもらったりは出来ない。

●そこで生きる知恵は市町村レベルの発想である。8月23日付福島民報の論説を要約引用する。『観光名所を巡る、会津若松のまちなか周遊バス「ハイカラさん」は平成13年七月にスタートした。平均乗車客当初は一便あたり7.2人だったのがなんと5年後の昨年は34.2人だとの事。どこの停留所で待っても30分ごとにバスは来る。観光施設ばかりでなく、中心商店街も公共施設も回るため、観光客ばかりで無く一般市民も利用に気づいたのだろう』。

●論説はまちなか周遊バスは会津若松の観光振興のみならず、中心市街地活性化も手助けしていると結んでいる。私にもう一言付け加えさせてほしい。高齢者の引きこもりからから始まるぼけ防止にも役立っていると。以前も言った。公共交通はそれ単独で赤字か黒字かを論じるのはおかしい。副次的に生み出す表面の損益に換えられない効果を考えるべきである。

●『今の医療行政はゴミが出るなら出るゴミを少なくすべきなのにゴミ箱をどんどん作っているようなものだ』とNJI社長橋本弘幸氏が言ったのを聞いた。マトを得ている。まだまだ元気な前期高齢者諸君、『そのゴミにならないために』自損事故を起こす前にマイカーと決別して、バスと自転車と徒歩で中心市街地を歩きましょう。

きらくや

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