お電話でのお問い合わせ(8:30~21:30) TEL:024-984-2130

「三谷幸喜のありふれた生活」の向こうを張って「きらくや社長の月並みな生活」を初めました。2008年1月からきらくに思いつきで始めました。どうぞご笑覧下さい。

街こおりやま平成22年6月号

我が愛しの安達太良山

●5月1日の朝日新聞土曜版に「初心者向けの百名山」一位に安達太良山がランクされた。深田久弥の『日本百名山』は日本の山を登りつくす登山家の指標にも成っている。ランク付けは百名山を知りつくす田部井淳子さんら4人の専門家に選んで頂き、得点化したもの。堂々その
全国第1位が我が安達太良山であった。

●私の人生最初の登山は小学5年の校外旅行。2泊3日で中の沢温泉へ。なか日が沼尻から安達太良登山だった。どんよりした曇天の中をもくもくと歩き、霧が掛かった荒涼とした場所が一瞬、霧が吹き飛び視界が晴れた。月の世界に来たかと思った。そこが沼の平であった。そこ
を横断し(現在有毒ガスで通行禁止)頂上に向った。帰りは鉄山を越え岩の割れ目(胎内潜り)から中ノ沢温泉に戻った。

●中学生になり山開きは熱海の石筵から赤木平、杉田林を通り船明神岳。馬の背を通って山頂へ。帰りは和尚山を越えて石筵川を横切り牧場に下りた。

●我が青春は(女などに見向きもせず)安達太良山いちずであった。高校生になり春から秋まで安達太良山に毎週のように通った。集中登山もやった。石筵、木の根坂、、沼尻などから一斉に頂上を目指し 30人を越えるメンバーが頂上で合流。その後全員でくろがね小屋に宿泊し翌日岳温泉に下山した。

●沢登りもした。遠藤が滝から登った。現在のロープウェイ駅の上に出る。銚子滝上流、石筵川も遡行した。和尚山と船明神の間の深い沢を三つほどの滝を越す、最後に視界が開け頂上の下に出る。湯川渓谷の沢登りは最高。三階滝、屏風岩、八幡滝、霧降滝、遡り、鉄山と箕輪山
の鞍部笹平に出るとそこは満開の石楠花が待っていた。

●鉄山下、(現在立入禁止)岳温泉源泉の湯花取りも手伝った。温泉の流れる木管に荒縄を流す。荒縄の終端にボンコをつけ、下流で荒縄を引く。木管に付着した湯花がボンコではがれ溜め枡にドロドロと流れ込む。それをカマスにすくってバネ秤で計って10貫目にして背負子(し
ょいこ)に括り付けてふもとの岳温泉会社まで運ぶ。500円頂く予定が水が切れて450円に目減りする。二度目は知恵を付け麓の温泉神社で水をタップり含ませ550円貰った。

●雪の締まった春先、くろがね小屋からスキーを担いで安達太良と鉄山の中間にある矢筈森まで約1時間かけて登る。下りは沢をスキーで右に左に揺られながらスピード調節して降りてくる誰と無く振り子沢と言う。たったの五分でくろがね小屋の下に出る。熱海には船明神岳から
杉田林を抜け赤木平から石筵までスキーで下る予定が勢い余って母成峠まで行ってしまい、遠回りした事もあった。

●私は大学生になり、北、南アルプス始め日本の名山を歩いた。さすがにそれらはすばらしい。しかし、「山高きがゆえに貴からず」低山で有っても安達太良山はそれらの山と負けない。改めてその魅力を再認識した。そのど真ん中に温泉付きの山小屋すら備えているのである。

●数えれば山頂への登山口はすべて温泉で7か所、コースは12コースほどある。もっといろんなコースを歩いて安達太良山の魅力を知って欲しい。概念図を付けたかったが紙面の関係であきらめた。興味のある方は地図かガイドブックを入手して確認してほしい。こんな身近に素
晴らしい山が有る事を。

コメントを残す

※メールアドレスは公開されません

TOP