きらくやになってから激闘奮闘1800日

きらくやに生まれ変わって5年。その5です。

第5回、クレームの元になる勘違い客を取らない。

  今まで旅館はどんなお客様でも取っていた。 会議客、接待客、団体客、個人客、宿泊したいと言えば断る事は無かった。 しかしそれがクレームにつながるのである。 団体客の中に個人客が入れば「そちらばかり相手して、かまって貰えなかった」となる。

  当旅館では必ず「なにを見て当館を知りましたか」と聞く。 その時一番気を付けなければ成らないのは「どこの旅館も満員だから」の答えである。 その時は当館は空いていてもいさぎよくお断りする。 お客様は通常の旅館を想定しているからサービスの無いとんでもない旅館に来て 「自分で蒲団を敷く惨めさを味わう旅館に泊まってしまった」と言う事になる。

  先日は知人から元大使の接待の予約が入った 「あなたしか磐梯熱海に知合いが居ないから」と。 私はそれに相応しい旅館を紹介した。 元大使とその知人が食堂に来てメニューを見ながら 当旅館の高校生のバイトに注文をする姿はどうも思い浮かばない。

  アメリカサウスウエスト航空はサービスを単純化させ好業績を誇っている。 あるときクレームが入った 「お前の会社は何だ、スチュワーデスは友達見たいだし、サービスもなっていない」と。 それに対する返事は「お客様は利用する航空会社を間違えたのです。どうぞ他社をご利用下さい。」

  宿泊客のクレームを出さない事に気遣いするより、 当館に合わないクレームの元になる勘違い客を取らない旅館を目指したい。