観光駅長誕生の磐梯熱海駅
●今は梨の季節でです。「梨」を縁起をかついで「ありの実」と言うそうです。磐梯熱海温泉の旅館の女性会の名前は梨の産地、熱海にちなんで「ありの実会」といいます。
●旅館は女性で成り立っています。オヤジは遊びほうけてもおかみさんは甲斐甲斐しく働いています。だからどこの温泉場にでもおかみの会があり土湯女将会（16人）飯坂乙和会（33人）岳温泉かたかご会（5人）、みな華々しく和装姿で新聞社などを訪問し温泉地のＰＲに努めている
のです。
●実はその先駆けが平成３年発足の「磐梯熱海ありの実会」なのです。現在13名。かなり地味な集まりで前記温泉の女性会の如く新聞社訪問なんてしません。おやじの理解ある由緒正しき親睦団体で遠くは沖縄、北海道まで旅行して日頃の憂さを晴らしています。
●そんな中、６年ほど前から月一回磐梯熱海駅舎の掃除を始め、その後毎週日曜日には11時の電車でお帰りのお客様のお茶の接待とお見送りを欠かさずしてきました。それがＪＲから好印象を持たれ旅館組合（正確には磐梯熱海温泉旅館協同組合）が磐梯熱海駅内に移転する時もスムー
ズに入居することが出来たのです。
●旅館組合の事務所は駅の西手に有りました。公園整備に伴い駅前に移転しました。しかし駅舎内に入る事はあきらめませんでした。駅は昔は貨物小荷物取り扱いなどもしていが仕事が少なくなり、かなりスペースが空いて居たのです。
●そして、磐梯熱海駅事務室を半分に仕切る工事をして頂き平成17年4月に駅舎内に入居しました。自分の旅館を第一職場とすると旅館組合事務室は第二職場みたいなもんですから、鉄道好きの私にとってこんな嬉しい就業場所はありません。移転の日はチャンとテープカットまでして
入居しました。
●磐梯熱海駅は本年４月から現在は業務委託駅となって駅長はいなくなりました。（ＪＲ、ＯＢが真面目に働いてサービスに変りはありません）磐梯熱海の管轄である郡山駅長から『観光駅長を磐梯熱海駅で推薦して下さい』と言われました。
●図々しい私は『それは有りがたい、オレでは駄目かい？』とか『猫が人気の駅は沢山あるからうちの猫ではどうだべ』とか言うのですが色よい返事が来ません。鈴木郡山駅長のお目当ては最初から「ありの実会」の女性だったのです。
●ＪＲ東日本仙台支社管内に昨年４月に宮城県の鳴子温泉駅、鳴子御殿湯駅に観光駅長を任命して以来、この８月１６日に磐梯熱海駅で福島県初の観光駅長が生まれました。ちゃんと本物の駅のユニフォームです。
●初めて当地を訪問する東京の人などは新幹線で郡山駅下車、磐越西線で３つ目の駅。２時間掛からずして到着する、と言うとその近さに驚きます。そして多くの宿は駅周辺、遠くてもタクシーで一区間程の距離です。今後とも磐梯熱海温泉は磐梯熱海駅と共に繁栄を続けたいと願ってい
ます。